「プログラミングって難しそう」「数学が得意じゃないと無理なんでしょ?」
そんなふうに感じたことはありませんか?
でも、もしあなたが
- 電車の乗り換えを考えたことがある
- 家の炊飯器のタイマーを使ったことがある
- エレベーターで“先に着いた人”と譲り合ったことがある
──それなら、すでにプログラミングの考え方に触れています。
この記事では、「コードを書くこと」よりも前に大切な、
**“考える力としてのプログラミング”**についてお話しします。
この記事は、コードを一行も書かずに“プログラミングの考え方”に触れてもらうことを目的としています。
1. プログラミングは“書くこと”ではない
「プログラミング」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?
- 黒い画面に英語のような呪文
- タイピングの速い人が何か作ってる映像
- 難しそうな数式や、謎の記号
そんなイメージが先行しがちですが、本来のプログラミングとは、
“目的を達成するための手順を考えること”
です。
コードを書くのは、その「手順」を機械に伝えるための最終工程にすぎません。
たとえば、朝起きてから家を出るまでの流れを思い出してみましょう。
- 目覚ましを止める
- 顔を洗う
- 朝ごはんを食べる
- 着替える
- カバンを持って出る
この流れを、あなたが「自動で動くロボット」に教えるとしたら?
- どの順番が正しいか
- 何が終わっていないと次に進めないか
- 失敗したときのやり直し方は?
こうした手順と条件、判断の積み重ねが、まさにプログラミングです。
💡 「考え方」を育てることが、何よりも大切
最初からコードを書く必要はありません。
むしろ、「どうすれば目的を達成できるか?」を考える力こそが大事です。
プログラミングは、“書く技術”ではなく“考える技術”なんです。
2. 論理と因果と構造
プログラミングの基礎には、3つのキーワードがあります。
論理・因果・構造
ちょっと硬そうに見えるけど、すごく日常的な話です。
🧠 論理:ちゃんと理由があること
たとえば…
Aさんが来たら電気をつける。
Bさんなら電気を消す。
この「理由があって行動が決まる」っていうのが**論理(ロジック)**です。
🔁 因果:順番と流れのつながり
朝のルーティンに戻ってみましょう。
- 着替えるのは、顔を洗ったあと。
- 歯を磨くのは、朝ごはんの前?
…いや、普通は後ですよね。
こういう「何のあとに何をするか」という流れの整合性が因果関係です。
🧱 構造:バラバラじゃなく、まとまっていること
たとえばスーパーで買い物する時…
- 野菜は野菜コーナーに
- 肉は肉コーナーに
- 飲み物は飲み物コーナーに
無意識に、分類された場所を探していますよね。
プログラムも同じで、
**「この処理はこの中にまとめておこう」**みたいな、整理整頓が大事になります。
これら3つの視点があると、
頭の中がスッキリして、コードを書くときも迷わなくなります。
言い換えれば、**「プログラミングの世界の地図」**を持ってるようなもの。
3. コンピュータは“バカ正直”
よく「コンピュータは賢い」と言われますが、
実はコンピュータはとってもおバカです。
🤖 コンピュータは「言われたことしかできない」
人間なら、
- 「ちょっと待ってて」→数分待ってくれる
- 「あれ取って」→指差した方を見る
みたいに、曖昧な言葉でも察してくれます。
でも、コンピュータは違います。
「1分待って」と言われたら、きっかり60秒待ちます。
「あれ取って」と言われたら、“あれ”が何か分かりません。
コンピュータは言われたことを、言われた通りにしかできない。
だからこそ、正確な“指示”が必要なんです。
💥「ちょっとぐらい分かってよ」が通じない世界
たとえば:
「1〜10の数字を足して」と言ったつもりが、
プログラムにとっては「1足す10」になるかもしれません。
つまり、“わかってくれるだろう”は通用しない。
それが、コンピュータの「バカ正直さ」なんです。
💡だからこそ、“手順の設計”が重要になる
プログラミングは、
**“バカ正直なコンピュータに、丁寧に道順を教える作業”**です。
- 何を
- いつ
- どんな条件で
を、一つずつハッキリ示すことが、
「ちゃんと動くプログラム」を作るための第一歩なんです。
4. プログラミング的思考は、どこでも使える
ここまでの話、
「なんだかプログラミングって、生活に似てるな」と思いませんでしたか?
- 順番を考える(因果)
- 条件で分ける(論理)
- まとめて整理する(構造)
こうしたプログラミング的思考は、
実はあらゆる場面で使える“万能スキル”です。
たとえば…
- 仕事での段取り
- 家事の効率化
- 子どもに「なぜそうなるか」を説明する時
- 問題解決の糸口を探すとき
日常のなかでも、自然と「手順」「条件」「整理」が求められます。
プログラミングの考え方を知ることで、
自分の頭の中をもっとクリアに整えることができるんです。
🚀 まとめ:コードを書く前に、まず“考える力”を育てよう
プログラミングは、
**ただコードを書く技術ではなく、「考えを形にする技術」**です。
この考え方を知るだけでも、
- 物事を整理する力
- 問題を見つける力
- 解決策を見つける力
が、きっと今より強くなります。
まずは日常の中で「もしプログラムだったら?」と想像してみましょう。
それが、あなたの最初の一歩になるはずです。
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